王母娘娘 健康、家内平安祈願
中国の王母娘娘にまつわる伝説は黄帝大戦蚩尤まで遡ります。この戦いの中で、黄帝は勝利しますが、これは王母娘娘が彼女の弟子である九天玄女を派遣し手助けをしたことから闘いに勝てたと言われています。王母娘娘は人々にとって親しみやすい神様でありますが、それは特徴とする女性的役割が優しく、温かく、包み込んでくれそうな感じがすることから、各地にある王母娘娘が祀られている廟の香炉は常に勢いよく燃えています。
王母娘娘と玉皇大帝はそれぞれ天界を司る主神であり、善悪を区別し、賞罰を明らかにしながら、苦しんでいる民の救済をしています。王母娘娘は全ての生きる者の母として慈悲深く、仁愛に富んでいて、1人1人の心の願いに耳を傾け、苦難の中にいる人々を助けています。得に病気の治療に関してはパワーを発揮します。
元々、王母娘娘は伝説中の女神であり、災難や疫病および刑罰を管轄する「怪神」とされていました。しかし、歴史や民間で話される機会の増加を経て、徐々に女性的になり、温和になっていき、今の慈悲深い女神となりました。また、王母娘娘は崑崙山の瑤池に住んでいたことから、瑤池金母とも呼ばれています。また、王母娘娘は花園で蟠桃の実を植えたことから、この蟠桃たべると、不老長寿になると言われるようになりました。
《山海経》によると「西王母、神であるも、その外見は人であり、 豹の尾と虎の齒を持ち、叫び声は千里の彼方まで届く、ぼさぼさの頭に玉のかんざしを飾り、天の災いと5つの刑罰を司る。」すなわち、歓迎されない神であり、人間界に疫病や禍をまき散らすことを専門としていると記載されています。
《穆天子伝》の中では、王母娘娘は温厚な神様と表現されていて、恐らく私たちの多くはすでに蟠桃祭について聞いたことがあるはずです。《漢武帝内伝》の中での王母娘娘に関する描写は今日とあまり変わらず、美しい女神とされていて、漢武帝に三千年に一度しか果実が実らない蟠桃を授けたと言われています。道教はこの伝説をもとに、毎年旧暦の3月3日を王母娘娘生誕の日とし、蟠桃祭を開いています。
中国の学者や専門家の中には王母娘娘は遊牧部落の女酋長である可能性があると考えている者もいれば、数千年前に崑崙山地域には西王母国が存在していたのではないかと考えている者もいるそうです。いずれにせよ、人々の中の王母娘娘はすでに慈悲深い女神の化身とされています。多くの人々は彼女をお祀りすることで、心身ともに満たされ、心願成就しています。
注意事項
多くの王母娘娘を祀っている廟では、素食のお供え物のみ受付ており、動物性のものは受付ていないことがあるので、参拝前には必ず調べてください。
参拝のタイミング
毎年旧暦7月18日は王母娘娘の生誕の日なので、王母娘娘が祀られている廟へ行き参拝するといいでしょう。
民間に伝わる王母娘娘にまつわる話については、恐らく何かは聞いたことがあるでしょう。彼女の七人の娘たちは七仙女であり、その中の一人は自分から人間界へ降りてきて、人間である董永と結婚をし、言い伝えられるほどのラブストーリーを繰り広げたそうです。またもう1つのラブストーリーといえば、王母娘娘の孫娘、誰もが知っている織姫です。7月の恋人の日に女性たちはお花と果物を用意し、お線香を片手に王母娘娘に触れ、王母娘娘に自分も良縁に恵まれるよう祈願します。
参拝方法
①蝋燭または明かりを点ける
②神様にお茶及びお酒を供える。
③お線香を焚き神様を迎え(各香炉に1または3本)平安を祈願する。
④最初の1杯のお酒を捧げる。
⑤擲筊をし、神様にご降臨されたか伺う。
⑥もしご降臨されたなら、2杯目のお酒を捧げる。
➆神様に伺い事がある場合は擲筊をし、返事を請う。
⑧お線香が1/3燃えたら、両手で金紙を持ち、拝む。
⑨金紙を燃やす。
⑩3杯目のお酒を捧げる。
⑪擲筊をし、食事を終わられたか伺う。
⑫もし食事を終えられたようでならば、お酒を灰に撒く。
⑬お供え物を全て撤収する。